公開日:5/28/2020
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    文字数が足りない!?しっかり文字数を稼げる記事の書き方

     
    ライターの仕事の中には、納品に必要な文字数が決められている場合があります。

    最初は「楽に書ける」と思って始めてはみたものの、書いても書いても文字数が伸びず、挙句の果てには「どうすれば文字数を規定数まで伸ばせますか?」とか「どうしても文字数を越えられないのでこれで納品します」とクライアントに伝えるライターも…。

    そこで「文字数が足りない」と悩むライターに共通している傾向や、クドくならない文字数の増やし方をまとめました。

    ⚠ここで扱う内容は、個人の経験を元に構成しており、すべてのライターや仕事に適用できるものではありません。実践するときには自己責任でお願いします。

    文字数が足りない理由1:調査不足


    文字数が足りない理由1つ目は、「調査不足」です。当然ですが、調べもせずに記事の執筆は不可能です。これは「まとめサイト」のライティングでも、「個人の感想をまとめたライティング」でもそうですが、調査をしない記事は、そもそも信ぴょう性に欠けるだけでなく、文字数も増えずに、苦戦を強いられることになります。

    参考記事のワナ

    案件によっては、執筆の参考になる資料やサイトが載せられている場合があります。そうでなくても、調査をするときに、Google検索をして、1~3番目に表示される記事を参考にするかもしれません。

    ここで、記事の文字数設定のお話しを少しだけしておきましょう。

    ネットで公開する記事は、多くの人に読んでもらう必要があります。読んでもらった数が、収益にもつながるからです。そのためには、Google検索の上位に、自分たちの記事が表示されることが大切です。

    Google検索で上位に表示されるためには、メインになるキーワードや付属するキーワードを、どこのサイトよりも多く盛り込み、全体の文字数も一番多くすることが大切です。そのようにして、クライアントは文字数を指定した記事の依頼をしてくるわけです。

    と、いうことは、参考サイトやGoogle検索をして、1~3番目に表示される記事を読んだだけでは、既にある記事と同レベルか、それ以下の記事しか書けないわけで、文字数が規定数を超えることが難しくなります。

    文字数が足りない理由2:漢字・代名詞が多い


    文字数が足りない理由2つ目は、「漢字と代名詞を使いすぎている」場合です。まずは、漢字から見ていきましょう。

    日本語の文章を読みやすくする漢字を使わないと、このように、ぶんしょうがながくなればながくなるほど、よみにくくなってしまいます。

    しかし、一般的に使われていない「漢字」を使いすぎると、それはそれで読みにくくなります。そこで、事前に確認しておくと役立つのが「常用漢字表」です。

    文化庁のホームページから読むことができるのですが、この中にある1945字をベースにして漢字を使うのがおすすめ。

    ”法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。”と常用漢字表の前書きに書いてあり、ここに載せられている漢字を中心に使うことで、漢字の使いすぎ予防になります。

    また、文字数が伸びない原因にがは「それで」や「前回」「ここまでみたように」「前の章では」のように、代名詞が多用されている場合もあります。

    同じフレーズを使わないのが大切ですが、「『それ』ってどこ?」「『前の章』ってなに?」とならないようにしたいものです。

    文字数が足りない理由3:句読点などの区切り記号のルールがあやふや


    文字数が不足する3つ目は、「句読点などの区切り記号のルールがあやふや」という点です。このサイトでも「句読点の使い方」に関する記事を公開していますが、区切り記号をちゃんと入れることでも、文字数を増やすことができます。

    区切り記号とは、「、」や「。」といった「句読点」のほか、「かぎかっこ」などの「カッコ」類も含まれます。ここまでの文章でも。強調したい部分などに「 」を使っていますが、これらの区切り記号をしっかり入れることで、文字数を増やせるだけではなく、読みやすい文章になります。

    文字数が足りない理由4:思いつきで書いている


    文字数が足りなくなる原因4つ目は、「思いつきで書いている」という点です。計画のないところに成功はありません、これはライティングでも同じで、最初から何も考えずに、思いつくままに執筆を進めていくと、執筆に行き詰まります。

    自分の頭の中にあるものを文章にする、プロの小説家であっても、最初に全体の構成を考えます。与えられている題材を元に執筆をするとなれば、当然、全体の構成は必要なのは言うまでもありませんね。

    文字数を増やす方法1:しっかり調査


    「文字数が足りない理由」を見てきましたが、ここからはそれぞれの解決策を見ていきます。

    最初に紹介する文字数を増やす方法は、「しっかり調査」です。調査は、書ける文字数に直結します。既に知っていることであっても調査は必要不可欠です。しかし、そもそも何を調査すれば良いのでしょうか?そこで、「例」で考えていきたいと思います。

    例)見出し:豆腐の栄養について

    「豆腐の栄養」について書くとします。この見出しに対してどれくらいの情報を盛り込むことができるでしょうか?必要最低限であれば
    豆腐の主な栄養は、タンパク質よ糖質です。
    となります。事実ですが、これだけの調査で満足していては、規定の文字数を超えるのは難しいでしょう。そこで、より深い調査が必要になります。例えば、
    1. 木綿と絹ごしで栄養素は変わるのか?
    2. タンパク質の良い点
    3. 糖質の良い点
    4. 他の栄養はないのか?→機能性成分が含まれている
    というように、豆腐の栄養からさらに4項目に増やすことができます。調査をして出てきたキーワードをさらに深堀りすることを繰り返せば、書けることが増えて、文字数不足を防ぐことができるようになります。

    調査はテーマを意識するのを忘れない

    調査の注意点として、深堀りをしても、メインテーマを見失わないようにしましょう。
    例えば、豆腐の栄養を調べていたら「ダイエット」に効果があることがわかり、さらに、ダイエットに良い効果がある食品に「こんにゃく」が見つかったとしましょう。

    ここで「こんにゃく」や「ダイエット」のことも混ぜ込んだらどうなるでしょうか?書いた記事のメインテーマは「ダイエットに効果のある食べ物」に変わってしまいます。

    テーマに沿った調査をするときには、メインのキーワードを軸にして、それを肉付けしていくことを意識しましょう。例の「豆腐の栄養」であれば、
    豆腐は、低カロリーで栄養豊富なことから、ダイエットに役立つ食材として、「こんにゃく」や「はるさめ」などと一緒に取り上げられることが多い食材です。主な栄養素は、タンパク質と糖質。そして、健康維持に効果があると期待されている「機能性成分」が含まれています。また、「木綿」と「絹ごし」でも栄養に違いがあり……
    のようなまとめ方ができます。

    文字数を増やす方法2:漢字と代名詞はほどほどに


    次の文字数を増やす方法は、「漢字と代名詞はほどほどに使用」です。漢字の使いすぎと文字数の関係ですが、漢字は文章を読みやすくすることに加え、文章全体を短くまとめる効果があります。

    例えば「しょうゆ」「しょう油」「醤油」がありますね、どれを使っても間違いではありませんが、商品パッケージなどは「しょう油」が多いですよね。

    常用漢字表を調べてみると「油」は含まれていますが、「醤」は含まれていません。それを考えると「しょう油」を使うのが良いかもしれません。そして、文字数。「醤油」が2文字に対して「しょう油」は4文字で2倍です。普段の文章の漢字を「常用漢字」に変えるだけでも文字数を増やすことが可能です。

    また、代名詞もクドくならないように省いていくというのも効果のある方法です。例えば前の章で考えたように、代名詞を使うときには……と書いたときに、「前の章ってどこ?」となるかもしれません。

    それであれば。「文字数が足りない理由2:漢字・代名詞が多い」で見たように、代名詞を使うときには、「それはどこのことをいっているの?」とならないように、代名詞の指している箇所を入れてあげたほうがわかりやすくなります。

    しかし「代名詞を使わないとクドくなる」と感じるかもしれません。使う場所を考えないとクドくなります。「それはどこのことをいっているの?」とならないようにしたいので、「どこのことをいっているか」がわかる文章であれば、代名詞を使った方が読みやすくなります。

    例えば、今読んでいるこの章で、
    「それであれば……」と「『文字数が足りない理由2:漢字・代名詞が多い』で見たように……」がありました。

    1つ目は代名詞です。ここを「『前の章ってどこ?』となるかもしれないので。」にすると、前の文章と内容が重複するので、クドい印象になるかもしれません。一つ前の文章や、同じ章のなようであれば、代名詞を使ったほうがスマートになります。

    2つ目は代名詞の示す先を書いています。別の章の内容を持ち出すときなどには、「どの箇所なのか」を明記したほうが、読み手をわかりやすく、文字数もしっかり増やすことができます。

    文字数を増やす方法3:句読点などの区切り記号を使う


    続く文字を増やす方法は「区切り記号を使う」です。いつも書いている文章に「区切り記号」はしっかり使っているでしょうか?まず、句読点がしっかり入っているかを確認してみましょう。

    特に「、」を使いすぎると「無知なライター感」が出てくるように感じるかもしれませんが、わたしたちが思う以上に、読点は使って良いようです。その点は、文化庁が出している「くぎり符号の使ひ方」に詳しく書かれています。

    そして、区切り記号には「かっこ」も含まれています。話し言葉に「 」をつかうのは、小学校の国語で習いますが、「特に他の文と分けたいと思ふ語句に用ひる」と「くぎり符号の使ひ方」に書かれています。強調したい「語」にも「 」を使うのは、公式に認められていて、文章を読みやすくするのに役立ち、文字数を増やすことができます。

    ※案件により「句読点」は文字数に含まないという場合もありますので、ご注意ください

    文字数を増やす方法4:計画をたてて書く


    計画を立てないと文字数を増やせないのはなぜでしょうか?これは「調査をする」にも関連がありますが、執筆をするときの調査をした時点で、どの内容をどこにどれくらいの割合で書くかを決めることが大切です。

    そのときに。「情報が”多い”」ところのボリュームを増やして、「情報が”少ない”」ところはボリュームを落とすなどの調整をします。このときに、テーマと関連しない内容で文字数を稼ごうと考えるのはNGです。(例えば、豆腐がテーマの記事なのに、大豆の育て方で文字数を稼ぐなど。)

    また、物語の基本構成「起承転結」も意識するのがおすすめ。
    • 起・・・導入。執筆しているテーマの魅力や読むどんなことがわかるかを書く
    • 承・・・テーマについて詳しく書く
    • 転・・・テーマの補足情報や、さらに知ってほしい内容を書く
    • 結・・・テーマの総まとめ
    のようにすると、全体が首尾一貫した内容になります。また、最近の傾向として、最初のうちに記事全体の概略や結論を入れてしまうのも方法。「目次」のあるサイトが増えているのもこのためと言われています。

    プロの真似をする


    文字数を増やすのに関係ないように思われるかもしれませんが、プロの文章を読んで分析するのもおすすめです。プロの文章とはどこにあるのでしょうか?

    それが「新聞」や「雑誌」や「本」といった印刷されている媒体です。これらの情報は、しっかり「プロ」が監修していることが多く、言葉の使い方も一流です。

    ネットの記事は駄目なのか?と思うかもしれませんが、ネットの記事にはプロが書いたものもあれば、はじめてライティングをした人の記事も存在するので、見極めが重要です。

    参考になるものが見つかったら、構成の仕方などを真似します。最初は「盗作みたいで嫌だ」と感じるかもしれませんが、書き方を身につける一番の近道です。(もちろん、内容まですべて真似をしたら盗作なので、絶対にやらないでください)

    やり方次第で文字数は増やせる


    ここまで、「文字数が足りない」と悩むライターに共通している傾向や、クドくならない文字数の増やし方をまとめました。Googleの検索ロボットのアルゴリズムが変わらない限り、執筆する文字数は、今後ますます増えていくことが予想されます。

    自然に無理なく規定の文字数を越えられる文章を書けるように、基本をしっかり身につけて、一流ライターを目指していきましょう。