公開日:5/15/2020
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    あう・会う・会う・遭うの違いと使い方を解説

     

    「同じ読みなのに違う漢字。意味は似ている―…」
    ライティングをしていて、漢字に変換したとき「どの漢字を選べば良いんだどう?」という経験をした方も多いと思います。

    今は、日本語入力システムもしっかりしているので、それを見れば判断もつきますが、やはり、ライティングを仕事にするには「異字同訓」の漢字は、意味や使い方を知っていないと修正の対象になってしまうので、しっかり抑えておきたい所。

    「モノクロパレット」では、昭和47年に「国語審議会漢字部会」より公開されている「『異字同訓』の漢字用法」を元に、同じ読みなのに違う漢字をシリーズで取り上げていきます。

    あう(会う・会う・遭う)

    自分と相手(または事象)が対面したり身に及ぶときに使われることばです。「国語審議会漢字部会」からは、頻繁に使われる「会う・会う・遭う」が紹介されています。
    では、それぞれの意味や違いを見ていきましょう

    「合う」の意味や使い方

    ひとつめは「合う」という漢字。「合同」や「合格」にも使われる漢字です。
    蓋と容器を元に成り立っていて、容器と蓋がピッタリ適合することから「合」という漢字ができたと言われています。

    「合う」の意味

    1. ふたつ以上のものがひとつになる
    2. 適合する・一致する
    3. 互いが一緒におこなう(対抗する)
    4. するかいがある
    5. 混ぜる・交える

    「合う」の使い方

    1. いくつもの道が合う地点
    2. この瓶(びん)と、その蓋(その)は合う
    3. 協力し合う
    4. 割に合う仕事
    5. 粉と水を合わせる

    「会う」の意味や使い方

    ふたつめは「会う」という漢字。「会議」や「会社」にも使われる漢字です。
    「会う」も「合う」と同じような成り立ちで、土器に蓋をした形がもとになっています。

    「会う」の意味

    ひとをはじめとする、生き物が対面すること。「合う」が生き物以外にも使えるが「会う」は生き物を相手にすることが前提

    「会う」の使い方

    客と会う時刻
    人に会いに行く

    「遭う」の意味や使い方

    次は「遭う」という漢字。「遭難」や「遭遇」など、好まない状況に直面するときに使われる漢字です。十字路で立ち止まる。そして両端を結んだ袋と口が合わさって成り立っています。

    「遭う」の意味

    生き物・事象関係なく、予期していないことや、不利益を伴うことや、ひとに直面するときに使いましょう。

    「遭う」の使い方

    災難に遭う
    にわか雨に遭う

    「あう」は相手や事象で使い分ける

    あう(会う・会う・遭う)の違いを見てきました。相手が「生き物」に限定しているか、事象などを伴うかで使い分けることができます。

    他にも、「逢う」や「會う」の漢字がありますが、一般的な文章であれば、今回紹介している「会う・会う・遭う」をマスターすれば大丈夫です。