公開日:7/12/2024
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    タバコを吸っていないのにクロス張替え?賃貸の退去で高額の清算請求を受けた話

     

    築30年の木造アパートに3年間住んだ後、退去時に原状回復のためと30万6000円の請求。内訳にはクロスやクッションフロアの張替え費用も。タバコのヤニが原因とされましたが、禁煙者であるため納得できません。管理会社に再交渉し請求額は約49000円になった話しです。

    1. はじめに

    築30年ほどの木造アパートに住んでいた私が、退去時に高額な清算請求を受けた話を紹介。間取りは2DKで家賃は39,000円。入居時に敷金も礼金も取られる一般的な賃貸アパートです。

    お店やバス停が近くにあり住みやすい物件だったんですが、引き戸の建付けが少し悪く、開閉するたびに、下の階から壁ドン(ただしくは引き戸を力いっぱい閉めて威嚇するドアバン?)が激しく3年間住んだ後、別の物件に引っ越すことに。

    契約期間はあと1年あったんですが、床にスプーンとか落とせばドアバン。コタツにお皿を置いてもドアバン。そして階段下にタバコのポイ捨てと、このまま住んでいくのは無理だなという判断。

    管理会社とのやりとりは専用アプリで行えるので、退去時もカギを不動産会社のポストに入れるだけの手軽なものでした。

     2. 解約清算書の到着

    新しい場所になり、物音を立てても仕返しをされない幸せを感じていたところに、管理会社からのアプリ経由で清算書が送られてきました。退去から3か月くらい経った頃です。

    「問題なければそのまま進めます」の文面に添えられていた清算書の内容を読んでびっくり。請求金額31万円になっていました。問題大ありです。
    そもそも家賃の約8か月分を請求されるってどういうこと??そういう商売?

    3. 請求の内訳


    ちなみに請求の内訳は
    • - ハウスクリーニング:45,000円
    • - クロス替え:221,000円
    • - クッションフロア交換:20,900円
    • - 便器脱着:5,000円
    • - 畳の表替え:30,000円
    敷金分を差し引いても約31万円の請求でした。

    特に注目すべきは、クロスとクッションフロアの借主負担が100%という点です。入居時点で黄ばんでいたり亀裂が入っていたのに、なぜ100%負担なのか疑問です。

    4. 管理会社とのやりとり

    契約時の特約に、ハウスクリーニング・襖の張替え・畳の表替えは借主負担と書いてあったので、そこは仕方がないと納得。しかし、すべてのクロスとクッションフロアの張替えが含まれている理由がわかりません。

    そこで、管理会社に「クロスとクッションフロアは入居時点で既に古かったのですが、張替え理由は色あせとかですか?」と問い合わせました。返答は「タバコのヤニによる張替えです」とのことでした。

    5. タバコを吸っていないのに

    生まれてから一度もタバコを吸ったことがない禁煙者です。それなのに、タバコのヤニが原因で30万円近く取られるのは納得できません。「タバコは一切吸っていないので、ヤニが原因といわれても支払えない。前の入居者が原因ではないのか?」と再度問い合わせました。

    管理会社の返答は、「室内を確認したところタバコのニオイが残っていた。3年近く住んでいただいているので前の入居者のものとは考えられないので請求した」とのことでした。

    たしかに、管理会社は住人がタバコを吸っていたか?なんて知らないし、実際にニオイもしたのでしょう。
    でも「タバコを吸っていない」に対して「いや、ニオイがしたから張替え」と言われても納得はできないし「タバコを吸っていない」という主張を受け入れてくれなかったので、これ以上は平行線になる未来しか見えません。

    6. 少額訴訟の検討


    このままでは精神衛生上よくないので、少し調べてみたところ「少額訴訟」という手続きを発見しました。
    「60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて,原則として1回の審理で紛争解決を図る手続(出典:裁判所)」です。

    そこで、管理会社に以下の点を伝えました。
    • - 第三者を交えて請求が妥当か判断したい
    • - クロスとクッションフロアは前回の交換から何年経っているのか教えてほしい
    • - 清算書記載の特約部分の文字が細かくて判別できないからちゃんとしたのを作ってほしい
    • - 襖の張替え費用の項目が明確に書かれていないので分けて表記してほしい
    じつはこの精算書、上の画像を見ての通り、特約の文字が異常に小さいんです。契約書類は残しているので問題はないのですが、引っ越しのドタバタで紛失していたら言われたい放題になるんじゃないか?とすすら思えてきます。

    7. 新しい清算書の到着

    数日後、管理会社から新しい清算書が到着しました。
    気になる請求金額約5万円です。
    畳の表替え・襖の張替え・ハウスクリーニングのみとなりました。
    これ以上は本当にクレーマーになってしまうので、ここで承諾して早いところ終わりにしよようという気持ちが大きくなります。
    ただ、
    - クロスとクッションフロアは前回の交換から何年経っているのか教えてほしい
    については特に返答はなく。請求に入れてないんだからいいだろといわれたらその通りですが、なんかもやもやが残ります。
    特記事項の文字サイズなどほかの部分については修正されてきたので、これ以上の追求は辞めました。

    8. 清算書の問題点

    これだけのことが起きているので、ここでもスムーズに進まないのがお約束です。
    金額の承諾を伝えたところすぐに、管理会社から「清算書に記載の口座に振り込んで」の連絡。
    いやいや、清算書に(案)がついたままやん。
    ちゃんと(案)を抜いて精算書を作ってくれませんか?→(案)ととった精算書到着。でも特記事項が再び判別できない小さい文字に・・・

    「なんでこれで行けると思ったん?チェック体制どうなってるん??」

    でも、これ以上のやり取りは不毛とあきらめ(きっと向こうもイライラしていそうなので)
    そのまま口座に振り込んで終了です。

     9. なんか悲しい

    この管理会社は、住んでいる地区のほとんどの賃貸を管理している大手の不動産会社の関連企業です。今住んでいるところだって、この不動産会社を通して見つけてもらった物件です。
    それでもこういう請求をしてくるのを考えると、ネームバリューだけでは安心できないと感じました。今後、賃貸契約をする際には、契約内容をしっかり確認し、納得のいく形で契約を進めることが重要だと痛感しました。
    前の家だって、嫌なことはされたけど、良い思い出もある部屋だったんです。
    (まぁ、最後の引っ越し中に「うっせんだよ、このやろう!」叫ばれたが)
    でも最後はやっぱりモヤっとした気持ちが残ってしまい、ちょっと悲しい気持ちにもなります。
    それに、人によっては納得していなくても言われるままに払っている人いるんじゃないかな?と不安にもなります。
    少額訴訟の判例を見ると、同じような事例がいくつも相談されているようなので、もし退去時の精算書で身に覚えのない金額だ出ていたら、あせらずに確認・対応をすると良いんじゃないかな?というお話しでした。