公開日:10/28/2021
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    【10/28~11/1頃】七十二候:霎時施 (こさめときどきふる)

     

     

    期間:10/28~11/1頃

    二十四節気:霜降(そうこう)

    冬が近づいてきました。10/28から11/1頃までは七十二候(しちじゅうにこう)の「霎時施 (こさめときどきふる)」になります。

    晴れていると思ったら、さっと雨が降り、そうかと思うとまた晴れる。外に洗濯物を干しているとヒヤヒヤしてしまいます。

    ここでの「霎(こさめ)」は一般的な「小雨」ではなく通り雨のことで、別名「時雨(しぐれ)」なんて言うこともあります。これから雨ごとに気温が下がり、冬が近づいていきます。

    そろそろ冬の支度をはじめるころですね。

    霎時施 (こさめときどきふる)の手仕事

    10月下旬は干し柿作りを始める時期です。では、簡単に作り方を紹介しましょう。

    干し柿の作り方

    1. 柿を洗って皮をむく
      干し柿用の柿には枝がついているのが特徴です。紐で縛るときにつかうので取らないようにしましょう!柿はよく洗ってから皮をむきます。ヘタは残す人と残さない人の2パターンがあるのでお好きな方でOK!包丁が苦手な人はピーラーが便利です。

    2. ヒモで縛る
      皮をむき終えたら、枝のところにヒモを結んで吊るせるようにします。一本のヒモに数珠にしても良いですし、両端に結んでもOKです。

    3. 熱湯に5~10秒入れて殺菌
      大きめの鍋でお湯を沸かして、沸騰したら柿を5~10秒つけます。

    4. 焼酎でカビ対策
      お湯から取り出した柿に焼酎を霧吹きで吹きかけます。これから1ヶ月以上外気にさらされる柿がカビないようにするためです。これで下準備は完了です。

    5. 干す
      では、柿を干していきましょう。ベストは10度以下で風通しの良いところです。日光はそれほど必要ではないようです。このときに柿同士がくっつかないように注意をしましょう。柿同士がくっついているとカビてしまいます。

      夜や雨の日はどうするの?
      柿を干している期間は、雨や夜露に当たらないように室内に避難させましょう(霎時施のじ時期なんですが…)もし、数日室内に吊るしておく場合は、風通しの良いところ・涼しいところを選ぶようにしてください。扇風機も活用できます。

    6. 揉む
      1週間ほど干すと柿の表面が固くなってくるので、優しくもんであげます。こうすることで、渋味が残らなくなるそうです。

    7. 完成
      2~3週間ほどで干し柿が完成します。渋味がなくなり甘々になっていることでしょう。さらに1ヶ月~1ヶ月半干せばカチカチの干し柿になります。自分好みの固さにできるのも、手作り干し柿の魅力ですね。

    コラム:渋柿を干すと甘くなるのはなぜ?

    渋柿を干すと甘くなるのはどうしてなのでしょうか?
    秘密は渋味のもとにあります。渋味の元を作り出しているのは「タンニン性物質」というもの。これが口の中に入ると唾液の水分と反応して渋味となります。
    では、渋柿を干すとどうなるのでしょうか。実はその前の「皮をむく作業」からポイントになるんです。
    皮をむかれた柿は、表面から呼吸することができなくなりアセトアルデヒドという物質を大量に作り出します。このアセトアルデヒドがタンニンが結合するとタンニン性物質が溶けなくなるんです。溶けなければタンニンがあっても渋くない。
    だから渋柿は甘く感じるわけです。さらに、βカロテンとビタミンAが増えるとか。昔の人の知恵は素晴らしいですね。

    七十二候(しちじゅうにこう)とは?


    一年を72の季節に分けたものを七十二候(しちじゅうにこう)といいます。もともとは中国から伝わったものと言われています。
    約5日ほどで移り変わり、それぞれの呼び方には季節の特徴や動植物の様子が表されています。
    四季を感じにくくなっているように感じる昨今―。
    七十二候を読みながら四季を感じてみるのはいかがでしょうか。